コシノジュンコの地元は、豪快さが魅力の「だんじり祭り」で有名な大阪・岸和田。実家が洋裁店ということから、彼女にとって服作りは幼い頃から身近なものだったのだろう。進学をきっかけに、日本のファッション文化の中心地である東京へ渡る。

1960年、コシノは「装苑賞」を最年少で受賞。日本でこの賞は新人デザイナーの登竜門とされ、コシノに続いて高田賢三や山本寛斎、山本耀司といった、日本のファッション界を牽引する人物たちが続々と受賞を果たしている。

コシノジュンコ ファッションアイコンとして日本のファッション界を牽引し続けている

コシノは自身の名前を冠したブランドで、1978年から22年ものあいだパリコレクションに参加。その他にも世界各地で前衛的なショーを開いて、高い評価を獲得してきた。一方で、近年は和太鼓のパフォーマンス集団「DRUM TAO」の衣装制作や、夜空をキャンバスにした花火のデザイン、能とファッションのコラボレーションなど活躍の幅を広げ、年齢84歳にしてその勢いは留まるところを知らない。

展覧会「コシノジュンコ　原点から現点」のチラシビジュアル。

コシノの故郷である大阪で開催される展覧会「コシノジュンコ　原点から現点」は、彼女の活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会。衣装やデザイン画、写真パネルなど約200点を通じて、その真髄に迫る。

日本を拠点に、常にモードの先端を走り続けるコシノジュンコ。日本の先鋭ファッションに触れる機会として、展覧会に足を運んでみるのはいかがだろうか？

琳派コレクション“羽織”　2004年 コシノのファッションデザインは、どこか近未来的でありながら和の要素もふんだんに感じさせる。

Spike Dress　2010年 前衛的なデザインが特徴的。

DRUM TAO“現代甲冑”衣装　2018年 和太鼓のパフォーマンス集団「DRUM TAO」の衣装制作を手がけるなど、幅広く活動している。

■DATA コシノジュンコ　原点から現点 開催場所：あべのハルカス美術館 　　　　　大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F 会期：2023年11月23日（木・祝）～ 2024年1月21日（日） 開館時間：火～金 / 10:00～20:00 　　　　　月土日祝 / 10:00～18:00 　　　　　＊入館は閉館30分前まで 休館日：2023年11月27日（月）、12月31日（日）、2024年1月1日（月・祝） 会場HP：https://www.aham.jp/exhibition/future/junkokoshino/

（2023年10月時点の情報です）