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村上ワールドを冒険しよう!早稲田大学の「村上春樹ライブラリー」へ

日本を代表する小説家、村上春樹。2021年秋に、彼の出身校である早稲田大学の早稲田大学国際文学館、通称「村上春樹ライブラリー」が開館した。必見のコレクションに触れてみよう。

まるでトンネルのような不思議なデザインは、村上春樹の世界観そのままに、パラレルワールドへいざなう入り口のよう。

既存の校舎をリノベーションしたライブラリー。

館内には、村上氏から寄託・寄贈された本をはじめ、日本語はもちろん、世界各国のさまざまな言語に訳された作品や、村上氏のジャズとクラシックレコードのコレクション、自室に近い環境を再現したオーディオルーム、オリジナルブレンドのコーヒーが飲めるカフェなどがあり、言葉の壁を超えて、村上ワールドを体験することができる。

村上氏が集めたレコードの一部。

1階のメインルームには、1979年のデビューから現在までの作品がズラリ。ほとんどの本が村上氏からの寄託・寄贈で、そのうちの多くが初版本という、ファンにはたまらないコレクションとなっている。また、海外で出版された作品や、村上氏が翻訳した海外作品なども並ぶ。

おなじく1階にあるギャラリーラウンジは、読書ができるエリア。壁には、『羊をめぐる冒険』でおなじみの羊男のイラストが描かれており、いっしょにテーブルに座っているかのような写真を撮影することができる。

ギャラリーラウンジは木のぬくもりに包まれた読書空間。

壁には村上氏本人が描いた羊男が。

また、オーディオルームでは、村上氏の自室さながらのオーディオシステムが導入されており、村上氏の日常にひたることができる仕掛けも。 地下1階にある、村上氏の書斎を再現した「村上さんの書斎」も見逃せない。こちらのオーディオシステムも本人の愛用品とおなじ機種。家具は似たものをそろえ、レコードやえんぴつなど細部までこだわり、執筆空間が想像できるようになっている。

再現された「村上さんの書斎」とオーディオシステム

ライブラリーを堪能したら、カフェ「橙子猫 - Orange Cat -(オレンジキャット)」にも立ち寄りたい。村上氏が学生時代に経営していたジャズ喫茶「ピーター・キャット」にちなんで名付けられたカフェで、早稲田大学の学生によって運営されている。ここではオリジナルブレンドのコーヒーがいただけるほか、自宅で実際に使われていた家具も置かれている。

早稲田大学の学生によって運営されているカフェ「橙子猫 - Orange Cat -」

そのほか、当時「ピーター・キャット」の店内で実際に生演奏に使われていたグランドピアノや、長編小説「海辺のカフカ」が舞台化された際に使用されたネオンサインの装置なども展示されており、見応えがある。

村上氏が経営していたジャズ喫茶「ピーターキャット」で使用されたグランドピアノ

こちらのライブラリーの設計を手がけたのは、日本を代表する建築家の隈研吾。隈氏にとって村上作品は、時空が変わり、何かが始まるような「トンネル」のイメージなのだとか。村上春樹と隈研吾、現代の日本を代表するふたりのコラボレーションワークは必見。

地下から2階まで吹き抜けになったトンネルデザイン

文学好きな方はもちろん、少しでも興味があれば楽しめる村上春樹の世界が詰め込まれた「村上春樹ライブラリー」。東京観光の1スポットとして訪れてみてはいかがだろう?

■DATA 早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー) 住所:東京都新宿区西早稲田1-6-1 4号館 営業時間:10:00 〜17:00 料金:無料 休館日:水曜日ほか(HPにてご確認ください。) TEL:03-3204-4614(受付カウンター) 公式HP: https://www.waseda.jp/culture/wihl (2023年10月時点の情報です。)