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CULTURE

日本初の泊まれるお城「大洲城」で、スペシャルな1日城主体験

四国エリアに位置する愛媛県の、お城に宿泊できるスペシャルな旅プラン!気になるその内容とは?

愛媛県・大洲(おおず)市は、数々の武将が暮らしたことで知られる城下町。そんな歴史ある町のお城をまるごと貸し切って宿泊することができる、日本初のキャッスルステイをご紹介。日本の歴史や文化をそのまま体験でき、お殿様&お姫様気分を楽しむことができる。

滞在するのは、鎌倉時代に築城されたとされる「大洲城」。一度失った天守を2004年に完全復元しており、日本が誇る職人技術を集結し、建築には釘を使用しないなど、日本古来の伝統的な工法が使われていることにも注目したい。

日本では、設計や技術が継承され、生き続けていくことが重要とされている。大洲城は、400年前の姿を完全に復元し、現代に生き続ける奇跡の城といわれており、2020年にユネスコ無形文化遺産に登録されている。

滞在中はさまざまな演出が用意されている。到着時には、初代大洲城藩主である加藤貞泰が1617年に大洲入りした模様を再現した入城演出を体験することができる。江戸時代から続く本物の火縄銃による祝砲、甲冑や着物体験、馬での移動やほら貝での合図、家臣の出迎えなど内容は盛りだくさんだ。

日本の歴史や文化を体感できる演出が多数用意されている。

室内は、樹齢300年以上の木材が使われており、どっしりとした柱や漂うヒノキの香りに包まれて、リラックス効果も抜群。ここから町の様子を眺めれば、統治に思いをはせていたであろうお殿様の気持ちがわかるかも。

天守までの吹き抜け空間となっているベッドルーム。木組みなど、室内も日本に受け継がれてきた伝統技術が多数使用されている。

そして、宿泊の楽しみといえば、なんといっても料理ではないだろうか。夕食は、江戸時代の地誌「大洲秘録」に伝わる名産品を中心に、当時の城主・加藤貞泰も口にしたと思われるレシピを現代の技法を加えてアレンジ。器も加藤家が藩財政の再建のため作らせた砥部(とべ)焼の陶磁器を使用するこだわり。

自然豊かで、清流も流れる大洲は、海・山・川の幸に恵まれ、食も魅力のひとつ。

宿泊者専用のラウンジ・浴室では、大洲城を目前に眺めることができ、夜はライトアップで幻想的な景色となる。 さらに、目覚めの楽しみである朝食は、2011年にミシュラン・グリーンガイドジャポン1つ星に選定された「臥龍山荘(がりゅうさんそう)」を貸し切ることができる。川のせせらぎや草木が揺れるのを感じながら過ごすおだやかな時間は、心豊かな1日のスタートにぴったり。

川の流れを眺めながら清らかな気持ちで朝食を楽しめる。

臥龍山荘は明治時代に建てられた日本の伝統である数寄屋建築の傑作。国の重要文化財にもなっている。

大洲城に宿泊できるのは1日1組限定。料金は1泊2名利用で1人660,000円(税込)と決して安くはない。だが、実際の宿泊者からは「その金額だけの充分な価値がある」と好評だ。

また、オプションはオーダーメイドが可能で、大洲を流れる肱川に川舟を浮かべてシャンパンを楽しんだり、歴史ある町並みが残る市内の建築を巡ったりすることができる。ただし、時期によりプログラムが異なる場合があるため、事前に要望を伝えて相談するのがおすすめ。

大洲は木蝋と生糸で栄えた歴史ある城下町。そんな町の息づかいを五感で楽しむプログラムが用意されている。

大洲市が、大洲城キャッスルステイと同時に始めたのが、城下町をまるごと一つのホテルに見立てた分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」の取り組み。 キャッスルステイというユニークな取り組みで注目を集めながら、城下町の歴史的・文化的価値の高い建物を保全し後世に繋ぐことを目指しているという。キャッスルステイの収益は文化財保護・整備にあてて、地域に循環させている。

「NIPPONIA HOTEL大洲城下町」の様子。全26棟31室をもつ国内最大級の分散型ホテル。

キャッスルステイを利用する際は松山空港と松山駅からコンシェルジュが送迎してくれる。 日本文化に興味がある人の中にはお城に住んでみたいと思う人もいることだろう。そんな夢をここ大洲城でかなえてみてはいかが?

■DATA 大洲城キャッスルステイ 住所:愛媛県大洲市大洲888 定休日:8月・12〜2月。※1日1組(2名~6名)限定 TEL:0120-210-289(11:00 – 20:00) 公式HP:https://castlestay.ozucastle.com/ 公式Instagram:https://www.instagram.com/ozu_castle_stay/ (2024年4月時点の情報です。)

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