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伝統工芸「九谷焼」を進化させる気鋭ブランド「九九谷」をチェック

鮮やかな色使いで愛される日本の伝統的な磁器「九谷焼」がスケートボードに?九谷焼の最新事情を紐解いてみよう。

九谷焼は、赤・黄・緑・紫・紺青といった色絵具で文様を表現する技法が特徴の、日本を代表する色絵磁器。石川県の加賀地域をルーツに持ち、その歴史は日本がサムライの時代であった1655年頃に遡る。絵画のような美しい絵柄をつくり出すこの技法は脈々と受け継がれ、今では「ジャパンクタニ」と呼ばれる技術的価値の高い焼き物として国内外で評価されている。

九谷焼の最大の魅力は鮮やかな色彩や繊細な文様の絵柄にある。

昨今、そんな伝統工芸である九谷焼に新風を吹き込む新たな取り組みが進められている。その一例が、スケーターでミュージシャンの吉田良晴が手掛ける「九九谷(ククタニ)」というブランド。ブランド名の“九九”には日本語で“掛け算”の意味があり、色彩が魅力の九谷焼に現代の感性をミックスさせた商品づくりに注力しているという。九谷焼の原料である陶石の産地、小松市に構える直営店では、老舗の職人から若手の作家までさまざまな人々と協力した商品が並ぶ。

店内では、スケートボードをモチーフにつくられた九谷焼のお皿や、工事現場に用いられるトラフィックコーンの形をした九谷焼の一輪挿しなど、斬新な発想の商品が目をひく。他にも、ユーモラスなデザインのマグカップや湯呑み、酒器といった実用的な商品も揃い、ディープな日本を感じさせるお土産にピッタリなラインナップになっている。

伝統工芸をカジュアルなデザインにアップデートした「九九谷」の商品は、小松市の直営店や東京や福岡など各地の取扱店をはじめ、公式オンラインストアでも手に入る。直営店には東京方面からなら飛行機または、新幹線や在来線を乗り継いでアクセスするのがおすすめ。

2024年3月には小松市まで直通運転する新幹線が新規開業予定。交通網の発達による街の盛り上がりと相まって、アップデートされた九谷焼の今後の動向に注目してほしい。

九九谷の店内。九谷焼をはじめ、センスの光るさまざまなアイテムが並ぶ。

九谷焼の技術を採り入れた九九谷の湯呑みや茶碗。

九谷焼の素地を大胆に黒色で染め上げたお茶碗。

スケートボードのタイヤの形をした黄色いぐい呑。

■DATA 九九谷(STORE)※直営店 住所:〒923-0921    石川県小松市土居原町193番地 平島ビル1F TEL:080-3088-4288 営業時間 14:00〜18:00(月、水、金、土) ※都合により休業する場合あり。 Instagramアカウントよりご確認お願いいたします。 九九谷 公式サイト:http://kukutani.com/  (2023年11月時点の情報です)