AKIHABARA

CULTURE

ねぶたの伝統を2代にわたり継承する職人、北村親子に注目!

成田空港第2ターミナルのFa-So-La AKIHABARA店内に飾られているねぶたを制作したのは、なんと北村隆さんと北村麻子さんという親子の“ねぶた職人”。色鮮やかに輝く大迫力の“動く”アートピースに、思わず時間が経つのを忘れて見惚れてしまう。

ねぶた発祥の地、青森県には“ねぶた師”と呼ばれる、ねぶた制作を生業にする職人たちがいる。彼らがデザインしたねぶたは、その晴れ舞台となる夏の祭りで審査対象となり、優れた作品には“ねぶた大賞”や“最優秀制作者賞”といった賞が贈られ、それらが“ねぶた師”の評価や人気へと直結していく。さながら映画界で言うアカデミー賞のようなもの。

北村親子はそうした職人たちの中でも、突出した技術とセンスでそれぞれ数多くの賞を受賞してきたプロの中のプロ。父の隆さんは、60年以上にわたってねぶた制作に携わり続け、これまでに最高賞となるねぶた大賞・田村麿賞を11回、最優秀制作者賞・制作賞を14回も受賞しているほど。2012年には“ねぶた師”にとって最高の栄誉となる“第六代ねぶた名人位”も顕彰された。娘の麻子さんは、そんな隆さんの元で修行を積み、2012年に史上初の女性“ねぶた師”としてデビュー。以降は、優美さを感じるモチーフ選びや繊細で柔らかなタッチという自身のスタイルを確立し、最優秀制作者賞・ねぶた大賞も受賞している。

そんな2人がはじめて共同製作した作品が、2021年12月にリニューアルしたFa-So-La AKIHABARA第2ターミナルの可動式ねぶた「空の神と厄災の戦い」。モチーフは「風神」「雷神」「厄災」という3つのキャラクターで、大空の守護神である「風神」「雷神」が、「厄災」から平穏な日常を守り続ける物語が、音や映像と連動した立体アートとして表現されている。出国の際には、ショッピングに夢中になって見逃さないように!

惜しくも今回の旅行で第2ターミナルを利用しないという人もご安心を。第1ターミナルには「メカ五右衛門」、第3ターミナルには「傾奇者(かぶきもの)」とほかでは見られないコンセプトが取り入れられた、隆さん制作の独創的なねぶたが展示されているのでこちらも要チェック!

第1ターミナル Fa-So-La AKIHABARA店内「メカ五右衛門」

第2ターミナル Fa-So-La AKIHABARA店内「空の神と厄災の戦い」

第3ターミナル Fa-So-La AKIHABARA店内「傾奇者」

(2023年4月時点の情報です。)